「人生は出会いで変わる」とよく言われますが、本当にその通りだと感じることが最近よくあります。
もちろん、知識を学ぶことや技術を身につけることは大切です。
しかし、それ以上に私たちを成長させてくれるのは、「人との出会い」なのかもしれません。
私は仕事を通して、本当にさまざまな人と出会います。
新入社員、外国人学習者、企業の管理職の方々…。年齢も国籍も経験も違えば、考え方もさまざまです。
だからこそ、「なるほど!」と思うこともあれば、「えっ、そう考えるの?」と驚くこともあります。
新入社員研修では、社会人になったばかりの皆さんと2か月ちかく一緒に過ごします。そこで感じるのは、「最近の若者は、ほんとうに人付き合いが上手だな」ということです。
新入社員同士、すぐに仲良くなります。気配りが自然で、相手が話しやすい雰囲気をつくるのが上手。「ありがとう」や「大丈夫?」という一言が自然に出てきます。
でも、相手に気を遣いすぎて「それは違うと思います」と言えない場面も少なくありません。グループワークでも、なんとなくみんなと同じ意見に流されてしまうことがあります。
優しさは大切。でも、自分の考えを伝えることも大切。
「優しさ」と「伝えること」のバランスって、実は難しいんですよね。
一方、日本語を勉強している外国人の皆さんは、驚くほどストレートです。
「うるさい!聞こえないから静かにして」「先生。わからない。もう一度!」
遠慮はあまりありません。でも、その分、理解しようという気持ちがまっすぐ伝わってきます。
以前、日本語学校の生徒の人からこんな質問をされたことがありました。
「どうして日本の地下鉄では電話をしてはいけないんですか?」
私は当然のように、
「地下鉄は、お客さんがたくさんいます。うるさいと迷惑ですね。」
と答えました。
すると、その生徒の人は少し首をかしげて言いました。
「でも、日本人も隣に座っている友達と大きな声で話していることがあります。」
……たしかに。
思わず言葉に詰まってしまいました。
「電話だからダメ」なのか「大きな声だからダメ」なのか。
普段は何の疑問も持たずに受け入れていたことなのに、改めて
聞かれると説明が難しい。
その日以来、電車に乗るたびに少し考えてしまいます。
こうした出来事は、私にとって大切な学びです。
人との出会いは、新しい知識を教えてくれるだけではありません。
「当たり前」と思っていたことを、「本当にそうなのかな?」と立ち止まって考えるきっかけを与えてくれます。
だから私は、この仕事が好きなのかもしれません。
毎年、毎回、新しい出会いがあります。そして、そのたびに少しだけ、自分の世界も広がっていきます。





