わたしは、教えるという枠で仕事をしておりまして。
さまざまな内容を教えております。
マナーから、ビジネスコミュニケーション、ITリテラシー、ネットワーク基礎など…。
それ以外では、外国人留学生むけに日本語も教えております。
日本語教師をしておりますと、本当に日本語を客観的に見直すことができます。
たとえば「~さんの家にいっしょに遊びに行きませんか?」という誘い文句。
これって、「遊びに行きません」という否定文に、疑問の「か」が付いているんですね。(そんなこと今まで考えたこともなかったけど)
これが、「~さんの家にいっしょに遊びに行きますか?」って肯定文に疑問の「か」をつけると、なんだか、行っていいのか?本当に?みたいな気持ちになるような誘い方になっちゃいますね。
ですから、ビジネスパーソンのみなさまも、メールなどで何かを依頼する際に…
「ご理解いただけますか」
とするよりも
「ご理解いただけませんか」
という、否定疑問の形にするほうが、より柔らかく丁寧な印象になるのです。
不思議ですね…。
ほかにも、「~だろうと思っていました」「~だろうと思いませんでした」も、おもしろいです。
これも、肯定文と否定文なんですけれど。
「太郎さんは、東京大学に合格するだろうと思っていました」
この肯定文の場合は、太郎さんが合格した場合も、不合格だった場合も使えます。
・合格だった場合は、当たり前と思っている
・不合格だった場合は、驚いている
会話の前後で、どちらの意味なのかが判断できるわけです。例えば…
「太郎さんは、東京大学に合格するだろうと思っていました。驚くほどのことでもないですよね。」→合格
「太郎さんは、東京大学に合格するだろうと思っていました。びっくりです。」→不合格
これに対して、否定文の「~だろうとは思いませんでした」は、
太郎さんが合格した時しか使えません。例えば…
「太郎さんが、東京大学に合格するとは思いませんでした」→合格
まあ、細かいことを言えば
「太郎さんが、東京大学に合格するだろうと思いませんでした」
という文は変ですよね。
「するだろうと」ではなく、「するとは」でないと変です。
この、さりげなく入っている「~とは」が重要です。
意外さを表しますもんね。
「日本語がこんなに難しいとは!」「給料がこんなに安いとは!」
…みたいな?
ただ、日本人のわたしは、おもしろい!という感覚なのですが、これを勉強している外国人からすると、わけがわからないようです。
また、彼らが頭を悩ませるのは、日本語文法よりも漢字です。
今、最大に「Oh~!」ってなっているのが「人」という漢字です。
漢字としては、簡単なんだけれど…
「一人」「二人」「三人」 ひとり、ふたり、さんり???
「日本人」「日本の人」にほんじん、にほんのじん?
「一本」「二本」「三本」いっぽん、にほん、さんぼん…これは、面白がって、すぐに覚えてくれました。
こうして教えるという立場から日本語を学びなおすと、日本語ってふしぎです。
そして、本当に難しいです。
英語の方が、よっぽどSimpleでEasy(なのに話せないのはなぜ???)
こんな難解な日本語を、少しでもわかりやすく、楽しく、勉強できる工夫をしていきたいと思います。